液冷システムの試験方法

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レアードサーマルシステムズは、いろいろな組み合わせからなる熱部品の検証試験を数十年間行ってきて、作動ノイズを減らしながらいろいろな熱負荷の冷却能力と効率を最適化してきました。当社の信頼性および機能試験は顧客の仕様や応用される工業規格に従って、カスタマイズすることができます。

  • 信頼性試験 – 液冷システムの機械的特性が忠実に実現されているかを確認する
  • 機能試験 – システムが期待させれる性能を持つことを検証
  • 各種規格準拠 - 液冷装置が適用される工業規格に準拠することを確認
  • 品質管理 – 生産ラインの最後で高品質製品であることを確認


液冷システムのテスト法についての詳細は、以下の表をお読みいただくか、レアードサーマルシステムズのヘルプデスクに連絡してください

 

 

信頼性試験

 

医療部門特定の応用の中のOEMは、装置の動作安全性を確保するため、全ての部品に関して重力試験を行うように要求されている。社内の構台試験装置を使って、レアードサーマルシステムズは、大きな重力に耐えるように試験された液冷システムを提供する。このため当社は、設計から製造までシステムと部品を試験し評価でき、OEM顧客の時間とコストを節約できる。当社はまた、実装と締結具が高い重力によって故障しないことを確認するため製品の機械的強度も試験する。
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レアードサーマルシステムズの構台試験能力

  • 100gの力まで試験できる
  • いろいろな方向に実装される部品から完全なシステムまでを試験する能力 
要求に依存するが、これらの試験は数カ月かかる。試験の間、当社は異なる重力で温度や流量圧力などの情報のログをとる予定

 

性能試験

 

当社のテストエンジニアは、たくさんの冷却能力の試験を行い、液冷システムがいろいろな熱負荷で期待される性能を提供する。その結果は、一定の周囲温度で温度差ΔTに対する冷却能力(W)を表す性能グラフで示される。当社のデータシートの性能グラフは全て10%の許容度がある。


テスト実施方法

  • 液冷システムがいろいろな環境温度で人工気候室に置かれている。
  • インラインヒータを持つ液体回路が使われ熱負荷を生成する
  • 液体の熱交換機に対して、性能グラフの温度差ΔTが顧客の応用に応じて周囲温度を液体温度から差し引くことで計算される。
  • 液体チラーでは、いろいろな周囲条件で一定の設定温度で熱負荷として性能がグラフ化されている

この試験は典型的にはチラー装置にのみ行われるもの。温度制御がシステム性能を決める重要なポイントだからだ。


テスト実施方法

  • チラーは、使用温度にして人工気候室で通常の動作条件で作動させる
  • 当社は温度安定性を測定し応用機器の要求に合うことを確認する。当社のNextremeチラープラットフォームは、±0.1℃の温度安定性を達成しており、ほとんどの応用では十分である。
  • 設計を確認している間、試験も熱負荷と設定温度で正負の変化に対するシステム応答を最適化する
気流と温度分布の理解が最適な熱管理システムを開発する上でカギとなる。レアードサーマルシステムズのエンジニアは、ノイズと熱交換器のサイズを小さくしながら冷却能力を最適化するために、風洞を利用して望ましい気流をプログラムする。


使用方法:

  • 大量の気流測定
  • 風速測定
  • 均一なラミナーフローを変えられるようにすること
  • 制御可能な熱の注入
  • ポンプ速度の可変
  • 液体/気圧低下測定
  • 液体/気流測定
  • 液体/気温測定
どのような業界でも装置メーカーは常にノイズを減らす方法を探している。熱管理システムではノイズは、ポンプやファン、空気ダクトなどの部品で生じる。製品がすでに作られているとノイズ対策はもっと複雑になってくるので、レアードサーマルシステムズは、設計段階や部品の選択から製品のサインオフまで全体のプロセスを通してノイズを測定し評価している。


テスト実施方法

  • レアードサーマルシステムズは、IEC61672規格に沿ってクラス1のマイクで音響アナライザを使っているので、信頼性高く長期に渡る周波数測定ができる。
  • 当社はISO 12001:1996の確度グレード3(調査グレード)に従ってノイズを測定しており、ひけをとらない結果を得ている。
  • 顧客が当社内の実力を超えた規格、例えばEN3746やEN61010-1などを求めるなら、当社の外部パートナーの信頼できる研究所でテストすることができる

 

各種規格準拠

 

レアードサーマルシステムズは、規制の要求を満たし、環境に優しい製品を提供することをコミットしている。

当社の液冷システムは次の規格に準拠している:
  • RoHS - the Restriction of Hazardous Substances (特定有害物質の使用制限)
  • REACH - the Restriction of Hazardous Substances (特定有害物質の使用制限)
  • TSCA - Toxic Substances Control Act (米国有害物質規制法) 
  • CA PROP 65 - Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act(安全飲料水および有害物質施行法:米カリフォルニア州)
当社の環境及び安全作業の詳細をお読みいただくか、ここの製品準拠認定を御要求ください。
 

EMC(Electromagnetic Compatibility:電磁両立性)と EMI( Electromagnetic Interference:電磁妨害)のテスト技術は、製品の安全性と性能を確認する重要な工程。

EMIは、電磁波による妨害現象だが、EMCは装置の特性である。EMCテスト技術は、電磁波干渉のある環境に関係なく、適切に機能できる能力を製品が持っていることを決め、周囲の装置に影響を与えないことを確認する。


テスト実施方法

  • レアードサーマルシステムズのエンジニアは、当社の外部パートナーの認定試験所でEMC試験を行う。
  • テストしている間、その装置は意図した動作条件で動作する。その環境は適用する規格で定められた環境条件や顧客独自の規格に従って設定される。レアードサーマルシステムズのEMC試験は次の規格に準拠する;
    - 住まいや商業施設、軽工業の環境での耐性規格EN 61000-6-1:2007  
    - 住まいや商業施設、軽工業の環境での放射規格EN 61000-6-3:2007 とEN 61000-6-3/A1:2011
    - 工業環境での耐性規格 EN 61000-6-2:2005
    - 工業環境での放射規格 EN 61000-6-4:2007 とEN 61000-6-4/A1:2011 
液冷システムは、適用される標準規格や顧客独自規格の放射と耐性の要求に準拠するなら、この試験に合格する。
UL(Underwriter Laboratories)は、最も厳しく、幅広い安全性のテストプログラムを市場で展開している世界大手の認証会社。これらのテストは電気ショックや高温表面、鋭利なエッジ、可動部品のような危険を同定し除去するだけではなく、意図した設置場所に流れる最大電流に準拠するような項目を確認する。液冷システムが複雑なので、たいていのULの試験プログラムは、一定の規格に従うように要求されることが多い。

テスト実施方法

  • レアードサーマルシステムズはULにテスト装置と関連する文書(部品のデータシートやシステムダイヤグラム図、リスク解析など)を製品発売前の都合の良い時に提供する。
  • ULは通常と通常より上の条件でその装置をテストし、地域の標準規格に準拠することを確認する。
  • テスト結果は完全に透明で、ULは製品要求に合うように機械的電気的設計を改善する方法に関して推奨を提供する。
  • UL認定は、その製品が全てのテスト基準を合格したら成功となる。最終テスト報告は、要求に応じて入手できる。
     

 


生産ライン終了試験

 

液冷システムは、高品質製品の供給を確実にするため以下に示す基準から目視でチェックする:
  • 印刷で描かれた寸法が正確であること
  • 製品の表面に傷や塗料の剥がれがないこと
  • 角が面取りされており鋭いエッジがないこと
  • 接続点がしっかりしまっていること
  • ネジが取れたりゆるんだりしていないこと
  • システムはテスト後に液が漏れていないこと
  • 出入口のフィッティングが出荷に向け保護されていること
  • 製品に適切なラベルが貼られていること
ハイポットあるいは絶縁耐性試験は液冷システムの絶縁性が十分で、通常の動作電圧条件でリーク電流がないことを確認する。これはULが要求する製品試験である。
これはユーザーが触れた時に過剰な液漏れがないことを確認する重要な安全試験。置いた時に重大な損傷を受ける可能性があり、ULが要求する製品テストである。
冷媒の漏れは製品性能に重大な影響を及ぼす。液冷システムを設計する時最大の問題の一つである。当社は自信をもってその能力を提供し、製造中に液冷システムの確認試験ヘリウム真空試験を行い、頑丈で信頼性の高いシステムを保証するための確認試験を行う。


テスト実施方法

  • この液冷システムは、最大確度を保証するため試験前にチャンバ内で真空に引く。
  • システムを窒素で満たし主な漏れがないことを確認する
  • もし漏れがなければシステムは再度真空に引きヘリウムを満たす。ヘリウムガスも最も軽い分子なので、極小さなピンホールの漏れを検出する機会を提供できる
  • ヘリウム検出器は試験チャンバ内のヘリウム濃度を同定、測定する。その装置から許容レベルを超えない漏れを確認するためだ。
  • リーク検出器は漏れが起きている場所を特定してくれる。当社が、この装置を再作動し、システムが適切に封止されていることを確認するためだ。
液冷システムは、期待の要求に応えているかを確認するため、広範囲の性能試験を行う。社内外の顧客と共にレアードサーマルシステムズのエンジニアリングチームと生産チームが、各システムの性能を確認するためベストの方法を決める。例えば、冷媒の流れや温度安定性、冷却能力などがある。