医療用画像処理システムは、人体構造のいろいろな形状に関する詳細な画像を提供します。詳細なコントラストは、柔らかい異なる組織を見せることができますので、神経や心血管の画像、腫瘍の画像では役に立ちます。主として、CTスキャナー、PETスキャナーとMRIの3種類の画像処理システムがあります。CTとPETスキャナーは、X線よって生じたイオンの放射を利用して凹凸のある画像を得ます。MRIは、磁界と電磁波を利用します。液冷システムは、これらの医療用画像処理装置において正確に温度を制御しますので最適な温度を安定にします。

カスタム液冷システム

医療用画像処理システムは複雑なため、カスタム設計の液冷システムにおいてプラグアンドプレイ（抜き差ししてもすぐに使える）の部品を使うことは好ましいソリューションです。例えば、接続してすぐ合う部品だとサービスや保守が簡単になります。重力によって冷媒を取り除くための底の排水口や、必要な時に簡単に交換できるポンプ、システムへの追加が簡単、というような場合です。独特な環境のためにカスタムハウジング構成が求められます。レアードサーマルシステムズは、医療画像処理装置向けのカスタム設計の液冷システムの知識とサポートおよびサービスの専門技術も持っています。

詳細はこちらへ：医療X線画像処理装置の冷却
詳細はこちらへ：PETとSPECTスキャナー向けの液冷オプション

粒子加速器の冷却

粒子加速器は粒子の運動エネルギーを増やすのに使われます。線形加速器とサイクロトロンは2つの異なるタイプの粒子加速器で、素粒子物理学の科学的な研究から、がん患者の放射線治療に至るいろいろな応用で見られます。システムの中のアクティブな部品の温度制御は、動作の忠実さや性能の確からしさ、システムの信頼性にとって、とても重要です。加えて、最も温度に敏感な医療機器や実験室の装置と同様、粒子加速器は温度の変動、特に熱の増加によって悪影響を及ぼされます。
詳細はこちらへ：粒子加速器を冷却する 

スピンドルスクリューポンプ

医療画像処理システムには定常流速で、低騒音、長寿命の液冷環境が必要です。レアードサーマルシステムズのスピンドルスクリューポンプは、一貫した高性能を提供し、このタイプの液冷システムでは理想的です。

遠心力のポンプと比べ、レアードサーマルシステムズのスピンドルスクリュー技術は流速を減速させずに粘度の高い液体を汲み上げます。圧力の変化はポンプ性能にほとんど影響がありません。これは、CTスキャナーの回転台システムのように重力の大きな応用で活躍します。ポンプは、大きな重力が加わっていても流速と圧力は常に一定に維持できるのです。

液冷システムで最も重要な部品の一つがポンプです。ポンプは、冷却装置が作動すると常に一定動作をしなければなりません。典型的にはポンプのMTBF（平均故障間隔）は短いのですが、これはベアリングやポンプのブレード、シールの摩擦による摩耗によるものです。もしポンプが早期に故障すると、液冷システムは医療画像処理システムを止めてしまいます。こうなると、医療機器には1日当たり数百~数千ドルが無駄になってしまいます。

レアードサーマルシステムズの3スクリューのポンプは、動力となる1個の回転子と他の二つのアイドル回転子からなります。スピンドルスクリューポンプは、乱流を起こさずに流体を軸に沿って回転させますので、粘性の高い流体を生じる泡を発生させません。二つのアイドル回転子は、液体の圧力で回転し、液体のベアリングや流体力学の膜を発生します。このことによってジャーナル軸受けと同様に、放射状サポートを行います。

詳細はこちらへ：スピンドルスクリューポンプのアプリケーションノート