半導体レーザーは光ファイバー通信の送信機における重要な部品です。光ファイバーで使われる最も一般的な半導体レーザーの種類には、ファブリ-ペロー型と、DFB型、VCSEL型があります。レーザーダイオードの選択は、通信システムにおける特定の要件、すなわち通信距離や、データ速度、使えるバンド幅、消費電力、波長、そして性能とコスト、信頼性とのトレードオフ、によります。
- ファブリ-ペロー(FP)型レーザーダイオード: 光信号を変調される光源として光ファイバー送信システムによく使われるタイプです
- 分布帰還(DFB)型レーザーダイオード: レーザー光の波長を制御するためにフィードバック機構としてグレーティング構造を使います。DFBレーザーは、狭帯域で安定なレーザー波長が求められるような応用で使われます。例えば、光通信システムにおいて高密度の波長分割多重(DWDM)システムなどです。
- 垂直共振器型表面発光レーザー(VCSEL): ダイオードの表面縦方向に発光する表面発光型レーザーです。VCSELは、低コストで高速、高効率のレーザーが要求される応用で使われます。光通信システムやデータセンター内の配線、光ファイバーセンシングなどがあります。
通信用途では、温度の安定性が波長の安定性にとって重要な問題です。レーザーダイオードの温度を整える方法 にはいくつかあります。TEC(熱電冷却器)はレーザーダイオードを冷却するのに理想的な技術です。二つのモード(冷却と加熱)で動作し、冷却能力が高く、応答時間が短いからです。しかもサイズがコンパクトでエネルギー効率が高く、消費エネルギーが低く、温度制御が容易です。
通信機器向けのレーザーは、使われる面積やデータ伝送速度、送受信機の種類によって、いろいろなパッケージソリューションがあります。通信用途向けによく使われるダイオードのパッケージの事例を挙げると以下のようになります:
- バタフライパッケージ:レーザーで一般によく使われるタイプ
- TOSAパッケージ:transmitter optical sub-assemblyの略。送信機の光サブアセンブリは、電気信号を光信号に変換し、光ファイバケーブルに結合させます。
- ROSAパッケージ:receiver optical sub-assemblyの略。受信機の光サブアセンブリは、ファイバーから光信号を受け取り、電気信号に戻します。
- BOSAパッケージ:bi-directional optical sub-assemblyの略。双方向光サブアセンブリは、TOSAとROSAの両方を含むもの。
- ピッグテール付きパッケージ:簡単でまっすぐに光接続できるパッケージ。豚のしっぽ(ピッグテール)のような光ファイバーと、一つのパッケージに取り付けられたレーザーダイオードで出来ています。
- MSA(マルチソースアグリーメント)パッケージ:いろいろな部品とシステムの間で互換性があるように設計されたパッケージ。複数メーカーのレーザーダイオードを1社の通信ネットワークに搭載することが簡単になります。
これら全てのパッケージに向け、レアードサーマルシステムズは数種類の熱電冷却器を製造しています。
OptoTEC™ OTX/HTX シリーズは、小型の熱電冷却器です。OptoTEC™ OTX/HTX シリーズは、低消費電流で排熱能力の低い応用に向くように設計されており、レーザーダイオードの動作温度を25±0.5℃付近に安定に保ちますので、温度誤差として±0.01℃を達成できます。
OptoTEC™ MBX シリーズは、1.6mm×1.6mmの大きさで、厚さが0.9mmと小さな実装面積です。熱電材料の充填率が高いので排熱能力が高く、従来の熱電冷却器よりも低い動作電流で最大43W/cm2もあります。
光トランシーバー向けに御社の熱管理ソリューションを見出すためにレアードサーマルシステムズにご連絡ください。
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